「人生が楽になる 超シンプルなさとり方」第7章~第9章(終) 感想

考察・感想(本など)
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 「人生が楽になる 超シンプルなさとり方(エックハルトトール著、飯田史彦訳。徳間書店)」の感想ないし考察です。今回で最後まで書ききる事にしました。

中毒的な人間関係を目覚めた人間関係に変える方法(7章)

 章の冒頭では「愛と憎しみは表裏一体」という言葉が出てきます。恋愛は特にそうで、凄くラブラブそうなカップルでもいざ喧嘩が始まるととんでもない罵り合いが始まったり、家族間でもほんの些細な事で大喧嘩勃発したりなんて事はよくある話です。

 もちろん、人間関係のいざこざは別に恋愛に限った話ではありません。解決策としては「いまに在る」事と「相手に対して決めつけず、変えようとせず、ありのままに受け入れる」事が人間関係からエゴを取り除く方法と説明されています。

 そんな簡単な話か?とツッコミを入れたくもなりますが(本書にも実際書いてある)、人間関係で起きるトラブルと言うのはたいてい「自分の要求に相手を無理やり従わせようとする」事から発生するため、少なくとも上記の事をしていれば余計なトラブルは生まないでしょう。なお、これは別に「無意識な相手の言いなりになれ」という意味ではなく、場合によっては避難する事も必要になるでしょう。ただ、エゴ丸出しの相手にエゴで反応しなければ、相手にとってはかなりの苦痛になるという趣旨の記述があり、騒ぎたい人は注目を集めて承認欲を満たしたいだけなんだろうと淡々と対応すればよいのだと思います。

※あまり良い例えではないが、Youtubeでアメリカの最高レベルの刑務所の映像で囚人が何を言っても看守は一切無視している事を何故か思い出した。厳重な刑務所だと病む囚人も多いらしいが、何を話しても一切リアクションが得られないのは相当苦痛だとは思う。

いまをあるがままに受け入れる(8章)

 章題の通り「自分が置かれている状況を受け入れる、いまと調和しよう」が主なテーマです。これは変化を起こすなと言う意味ではなく、いまをいったん受容した上で、取れる行動は一つずつ取っていく方がずっとスムーズに事が運ぶという事です。

 たいていの人は、「〇〇(志望校合格、売上向上、欲しい車、アクセサリー等)が達成されたら嬉しい」と考えていまを「目的達成の手段」とみなし、不満や不平を抱えてます。要はいまと敵対している生き方です。とは言うものの、自分もこの傾向はありますし、はっきり言って欲を全部捨てろなんて無理でしょう。

 どんな目標や欲求であれ、まずは「いま、この瞬間」の自分を受け入れて、今している事に集中する事。自分の思いや感情を気づいている事。シンプルですがこの2点が大事なのだと思います。

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病気と苦しみを変容させる(9章)

 端的に言うと「病気や苦しみをきっかけにいまに在ろう、病気をアイデンティティ・かわいそうな私という物語を作るのをやめよう」という事になります。

 とは言え、いざ重い病気や何らかのネガティブな状況に見舞われた時に「怒ったり泣いたりしても仕方がない。いまに在り、やれる事をしていこう」なんて冷静に対応できるのか?と思ってしまいますし、正直パニックになるというのが本音です。

 本章でも「心の痛みを否定すると、痛みに行動や思考まで汚染されてしまう」「頭でレッテルを貼らずに感情へ意識を向けよう、逃げ出したい衝動に駆られても」とあります。この言葉を元に自分で解釈するなら

・エゴがある以上、出来事で一喜一憂するのは仕方がない

・ただし、その時感じた事や本音を誤魔化さず、はっきり向き合おう

となり、特に本音を誤魔化さずに受け入れる点は大切です。どうしてもかっこつけて大丈夫と言いたくなりますが、本音を誤魔化しているといつかガタが来ます。これは本書の内容とは少し異なりますが、いまに在るためには古いレコードのように延々と脳内で語られる声に一度正面から向き合う事が大事なのではないかと思います。

 それがどんな声かは人によるでしょうが、真正面からトラウマやコンプレックス、人には言いづらい事に向き合う方が、無い振りをするよりずっと楽にいられます。

※補足

 と、まあ色々とここまで書いてきたが、結局何すりゃよいのか分からんと感じる方もいるだろうし、自分もちょっと思う。そういう方に勧めたいのは「瞑想」と「思考と感情の観察(気づき)」。

 瞑想は胡坐をかいて5~10分程度呼吸を観察する(意識がそれてもまた戻す)やり方で、朝と夜にやっているが以前より自制心が上がったと感じている。観察や気づきも自分を俯瞰して見られる他、ポジティブにいろと言われるよりも観察だけでOKなのでやりやすい。

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